俺の妻は本当に可愛い~恋のリハビリから俺様社長に結婚を迫られています~
「……それとも目的は俺か? まさかつけてきたのか?」

淡々とした声がさらに緊迫した空気を醸し出す。

思わず息を呑んだ。

「ち、違います! わ、私はここの鍵を預かっていて……」


なにを、どう話したらいいの? 

この人はなぜこんなに怒っているの?


「……鍵? 見えすいた嘘をつくな」

「ほ、本当です! バッグの中にあります!」

必死で弁解する。


どうしたらわかってもらえるの?


この体勢では、バッグからキーケースを取り出すのは不可能だ。

突然の思いもしない出来事に、涙が滲みそうになる。

このまま通報されてしまうんだろうか? 

それだけは避けたい。


「バッグ……これか?」

ほんの少し身体を起こし、厳しい表情を浮かべたまま美形男性がバッグを拾い上げる。

無言で小さく頷くと彼が片眉を上げつつ、バッグを私の手に押しつけてくる。

震える両手で受け取ると、男性は面倒くさそうに髪をかき上げて立ち上がった。


慌てて身体を起こす。

すぐそばに立つこの男性は思った以上に背が高い。

百八十センチは超えているんじゃないだろうか。

百六十センチに満たない身長の私からしたら、羨ましいくらいに足が長い。
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