俺の妻は本当に可愛い~恋のリハビリから俺様社長に結婚を迫られています~
「……俺が?」

「はい。呻いてらっしゃったように聞こえたので……もし体調が悪いならタクシーを呼びますが」

「……それが気になるのか? この状況で?」


だからそうだと言っているのに。

この人はこれ以上、一体なにを確認したいのだろう?


訝しみながらも頷くと、途端に男性の表情が崩れた。目尻が柔らかく下がる。


「ハハッ」


なんで笑うの?


「……お前、信じられないくらいにお人よしだな」

「え……?」

「それとも警戒心がないのか?」

「は……い?」

「普通この状況で俺の心配なんかするか? しかも散々疑われて手荒に扱われた相手の」

綺麗な目を細めて言い放つ。


若干馬鹿にされたような言い方にカチンとくる。

しかもいつの間にか、“お前”扱いになっている。


「……それとこれとは別です! ただ気になっただけです。余計なお世話ですみませんでした。失礼します!」

一気に言って、くるりと踵を返す。

湧き上がるイラ立ちを抱えてほかのベンチに向かう。

あの男性の視界には入りたくない。


なんなの、あの人! 失礼すぎる!
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