キミからの「好き」って、信じていいの?
「いいなぁ」



「なにが?」



えっ!! 慌てて顔を上げると、真凛と成海くんが首をかしげていて。



「な、なにか私言った?」



「うん、いいなぁって言ってたよ。なにがいいの?」



「えっと……」



まさか声に出てたなんて!



どうしよう、なにもいいわけが思い浮かばない。



「い、いやぁ、クレープのいちごもいいけどバナナもいいなぁ、なんて?」



二人の目が点になった。



そして二人同時に笑いはじめた。



「「あはは!」」



もう、穴があったら入りたいよ……!



でも、なんとかごまかせたみたいでよかった。



ちゃんと二人の話に入らなきゃ!



「成海くんって甘いもの好きなの?」



さっき甘いものが食べたい気分だったって言ってたから、そうなのかなって思って。



「そうだよ。家族がみんなスイーツが大好きで自然と甘いものをたくさん食べてたからね」



「家族は何人〜?」



「四人だよ。小学三年生の妹が一人いるから」


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