キミからの「好き」って、信じていいの?
ーーガラガラ



シーンと静まりかえった図書室に、私がドアを引いた音が響いた。



「失礼します」



小声でそう言って、図書室の勉強スペースへと足を向けた。



できるかぎり本が目に入らないようにして。



だって、本を見たら手に取って読みふけって本来の目的なんて忘れてしまいそうだから。



「あっ!」



声がしたほうを見ると、そこには成海くんがいて。



私も目を見開いた。成海くんも図書室で勉強しているんだ……。



「こっち来たら?」



断る理由もなかったし、勉強スペースには成海くんしかいなかったから、私はおずおずと成海くんのとなりに座った。



「成海くんもテスト勉強?」



「あぁ、そうだよ。姫内さんも?」



「うん。家だと集中できなくて」



「俺も。でも図書室で勉強しはじめたら、クラス一位になれたし」



「えっ!? クラス一位なの!すごいね」


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