さよならを教えて 〜Comment te dire adieu〜
打って変わって、わたしは声を荒げた。
「あんた、わたしのこと『手放したくない』んでしょっ⁉︎
だから、一歩間違えたらストーカーみたいに引越しする度に引っついてきてるんでしょっ⁉︎
なのに、わたしのことを手放すつもりなのっ⁉︎」
突然の剣幕に、さすがの茂樹もびっくりした顔でわたしを見つめる。
「わたしが他の男と……
——菅野先生と結婚しちゃってもいいのっ⁉︎」
声を振り絞り、茂樹へ向けて全身全霊でわたしの思いをぶつける。
「わたしは——イヤよっ!
あなた以外の人を夫とするのも……
あなた以外の人の子どもを産むのも……」
十代の終わりに、初めて出逢ったあの頃から……
わたしの心も、わたしのカラダも……
——あなただけしか知らないのに。