さよならを教えて 〜Comment te dire adieu〜
「……おれが……おまえの母親の事務所に……?」
茂樹は呆然としながら、そう尋ねた。
「違うっ!おかあさんの事務所じゃなくて、わたしが継いだあとの事務所だっての」
——だって……
茂樹が弁護士になったのは、かつての自分のお母さんのような「弱い立場」の人たちを法律の力で守るためなんでしょう?
だったら——
わたしがあなたのために、そんな場所をつくって……
——待っていてあげる。