一樹君の恋人は天使なんです
秘密を教えるから・・・嫌いになって
 

 カーテンから朝日が差してきて。

 悠はうとうとと目を覚ました。


 ぼんやりした中、ゆっくりと体を起こした悠は伸びをした。


「うーん…よく寝たっ」


 ぐっすり眠った悠はスッキリした顔をしているが、周りの景色がまだぼんやりしていた。


「あれ? ここは…」


 よく見ると、自分の部屋ではない事にだんだん気づいてきた悠。

 
 視界がハッキリしてきて、部屋の様子に気づくと、昨夜の帰りを思い出した。


「そう言えば…事務所を出てから倒れそうになって、所長に送ってもらって…。その後…」

 ハッとなり、悠はちょっと恐る恐る隣を見た。


 スヤスヤと心地寝息をたてて眠っている一樹がいるのを目にして、声を出さないまま驚いた悠。


 嘘…ここって、所長の家? …
 あのまま所長の家に来ちゃったって事?

 
 驚きながらも、悠は自分の服が乱れていないかチェックした。

 ジャケットは脱がされていても、シャツはそのまま乱れていない。

 靴下は脱がされていてもスラックスは履いている。


 特に何もなかった事を確認すると、一安心した悠。

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