この男、危険人物につき取扱注意!
「誤解は解けたか?」
「…え、ええ…」
返事はしたものの、達也と真司から聞いた話が千夏には嘘とも思えず、疑念が残っていた。
「…その顔だとまだ納得がいかない様だな?
俺は、男にキスする趣味はない。
あの時は、初めて使う家具屋で信用出来なかったから、坂下と点検していただけだ。
やましい事は何もしていない」
「点検…ですか?ベッドの下を?」
(いくら初めてで信用できないって言っても、家具屋さんが組み立てたなら、心配する事無いと思うけど、もし点検するとしたら、頑丈さであってマットの上からだと思うけど…)
「ネジは間違って付けていないか、ネジの緩みはないか?
余計な物はつけられてないか?」
「余計な物?」
「大丈夫だ。問題無かったから安心して寝て良いぞ?」
(安心してって…)
「キスの事は、私の見間違いだったとしても…
でも、坂下さんはチーフの事好きですよ?
坂下さんの結婚は…きっと…チーフに有る噂を払拭する為に…結婚したんだと思います!」
千夏のあまりに的外れな言葉に春樹は頭を抱えた。