極上弁護士の耽溺プロポーズ
「光希、いい匂いがする……」

「ぜ、全部柊一くんと一緒だよ……」

「俺と一緒?」

シャンプーもボディソープもこの家のを借りたのだから当たり前のことなのに、柊一くんがなまめかしい声で訊くから答えに窮した。

うん、と肯定するだけで、きっと顔から湯気が出る。

「光希が好きだ。愛してる……」

心臓がきゅんと締めつけられるような甘い囁きが、頭の上から降ってくる。

愛してるなんてさらっと言えてしまう柊一くんに、わたしは息を呑むほど驚いた。

「柊一くんっ……」

「おやすみ、光希……」

柊一くんはわたしを抱き締めたまま眠りにつく。

わたしは目を開けていられなくなった。

両目をぎゅっと瞑ると、耳元で自分の心臓がこれでもかいうスピードで鳴り響き出した。

それでも柊一くんに抱き締められていると、なんだかとても安心した。

誰かが自分を思ってくれているということが心地よかったのかもしれない。

胸の奥でくすぶる孤独感が鎮まっていくようだった。

結局わたしは朝まで、柊一くんの腕の中で眠った。
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