極上弁護士の耽溺プロポーズ
「父さんは?」

柊一くんは椎葉さんに問いかけながら奥のデスクについた。

早速パソコンを開いてメールのチェックをしている。

「ボスは弁護士会館に行かれています」

「ああ、今日は委員会の日か」

「じゃあ私、これから裁判所に行って来ます」

「ああ、よろしく」

藤山さんが書類を片手に立ち上がった隣で電話が鳴り出した。

「先生、債務整理の吉永様からお電話です」

戸川さんが早々に柊一くんに電話をつなぐ。

その横からも別の電話が鳴り、椎葉さんが応対していた。

なんだか忙しそうだ。

「あなたにできそうなことと言われても困るんですけど、とりあえず花瓶の水でも替えてきていただけますか」

合間に椎葉さんから指示され、わたしは笑顔で返事する。

「あ、はい」

「ここと応接室にありますので」

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