背負った運命
「何を、言ってるか分かってるの?」

抑揚のない静かな声で龍河羽瑠は言った。

「えぇ。国や領土同士の問題になる前に、そうす

るべきよ。」

少しだけ悲しげに瞳を揺らした彼女は、

そのまま目を合わせることなく背を向けて歩き出

した。そんな彼女に

「少しあいつと話したい事があるから先に帰って

てくれ。」

最後に微笑んで言ったのは朱雀だった。

「分かったわ。」

彼女へ向けていた表情とは真逆の敵意剥き出しの

顔で

「良いな。」

と告げた。

その顔を向けられた龍河羽瑠は"あぁ"と頷き、自

分の聖獣に愛華を預け朱雀に着いて行った。
< 35 / 51 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop