白雪姫に極甘な毒リンゴを 2 (十環の初恋編)
だから俺は
この家でも笑顔でいた。
言うことも聞いた。
学校でも
みんなに嫌われないように笑顔を作って
優等生でいた。
必死に耐えていた。
友達からの
『本当のお母さんに捨てられたんだって。
かわいそう』っていう視線から。
人なんて信じても
裏切られるだけって
あれほどわかっていたはずなのに……
それなのに……
総長に心を許して
TODOMEKIの仲間を信じてしまった。
そして
また捨てられてしまった。
俺は自分のバックの中から
TODOMEKIのみんなと撮った写真を
取り出すと
クシャクシャに丸めて
ゴミ箱に投げ込んだ。