白雪姫に極甘な毒リンゴを 2 (十環の初恋編)
 ☆一颯side☆


「十環の奴

 どうしてるかな……」


 学校帰り
 歩きながら十環のことを
 思い出していた。


 十環と明虹学園に潜入した日から
 十環に会っていない。


 あのあと
 明虹学園の制服を返しに行った時
 学園長に言われた。


『十環くんの入学は、ムリそうね。

 あ、そうそう、赤城くん。
 あなたの入学を認めましょう。

 成績トップだったし
 変なお願いも聞いてもらっちゃったしね。

 入学金も3年間の学費も
 免除してあげる』って。



 嬉しかった。


 ずっと憧れていた
 高校に入れることになって
 すっげー嬉しかったし、ほっとした。


 それなのに……


 俺の心に
 ぽっかりと開いた穴は何だろう……


 そう思った時には
 TODOMEKIの倉庫に行くために
 バスに飛び乗っていた。

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