白雪姫に極甘な毒リンゴを 2 (十環の初恋編)

 この説明で
 総長は納得したの?


 今の俺の話で
 総長と一颯のお父さんが似ているって
 納得する場所はないよね?


「俺、一颯の親父さんと
 仲良くなれそうだ」


「え? どういうことですか?

 総長の言っている意味が
 全く分かんないんですけど」


「教えない。

 十環にだけは、絶対に教えない」


 俺は総長に
 ムーっと膨れ顔をして見せた。


「やっぱりお前
 笑顔もかわいいけどさ。

 怒った顔もかわいいな」


「かわいいとか
 言わないでくださいよ」


 俺の水色の髪を
 ワシャワシャする総長の手を
 俺は軽く睨みながら振り払った。


 でも
 素の自分を総長にさらけ出せた気がして
 自分の心が弾んでいた。

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