白雪姫に極甘な毒リンゴを 2 (十環の初恋編)
「ただいま」
俺が家に帰ると
六花が珍しく
俺のところに駆けてきた。
「お兄ちゃん。
来てるよ。友達」
「は? だれ?」
「……名前
……忘れちゃった」
「六花、お前さ。
俺の友達って名乗る奴
勝手に家に入れるなよ。
変な奴だったら、どうすんだよ」
「大丈夫だって思ったもん。
だって……
誰も自分の部屋に入れないお兄ちゃんが
その人は入れてたから」
それって……
十環?
俺は頭が真っ白になりながら、
リビングのドアを開けた。