しあわせ食堂の異世界ご飯6
 優雅に腰を折り挨拶するセレスティーナに、アリアも倣う。
「この度はご婚約おめでとうございます。リベルト陛下、リズベット様」
「ご婚約おめでとうございます。リベルト陛下、リズベット様」
「ああ、ありがとう」
「ありがとうございます」
 セレスティーナとアリアの祝いの言葉に、リベルトとリズベットが感謝の言葉を口にする。

 この国のうら若き皇帝、リベルト・ジェーロ。
 整えられた艶のある銀色の髪と、どこか冷たく見える青色の瞳。グレーのタイに黒を基調とした正装は、人々の目を引く。
 そしてこの姿とは別に、身分を隠し『リント』という名前で側近のローレンツと市井で仕事をしていることも多い。
 直接自分の目で人々や街を見ることを大切にしている、心優しい皇帝だ。
 他国からは村を焼き払う冷酷無慈悲な皇帝などと噂をされており、当初はアリアも心配していた。
 しかし、それはリベルトが終戦後すぐに即位したため、他国へ攻め込む隙を与えないようわざと情報操作を行っていただけだった。

 アリアを窺うように座っているのは、リズベット・ロスタン。
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