しあわせ食堂の異世界ご飯6
「その件に関しても、誠に申し訳ございません。私たちからリベルト陛下の妃候補にとお呼びするようなことをしておきながら……」
 フォンクナー大臣の言葉を、アリアは「お気になさらないでください」と流す。
 そもそも妃候補として呼ばれたのだから、別に自分が選ばれなかったとしても、アリアからなにか言うつもりはない。
(いざリベルト陛下に会いにきても、ひと目見ることもできないなんて)
 もし自分が大国の王女であったのなら、もっと強気でいられただろうかと、アリアは思う。
 自分の不甲斐なさに泣きたくなりつつも、こればかりはどうしようもない。アリアは優雅に微笑んでみせ、どうしようか思案する。
 リベルトへの謁見が叶わないということは、実はある程度予想はしていた。
 けれど、ローレンツであれば会うことはできるのではないか?とも、アリアは考えていた。
 しかし、一国の王女であるアリアがローレンツへ面会する理由がない。なぜリベルトの騎士を?と、怪しまれてしまうだろう。
 そのため、ひとつ理由を用意してきた。
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