ラヴシークレットルーム Ⅱ お医者さんの彼との未来
自分は誰かに守られるよりも
“いつか、、誰かの役に立ちたい”
そういう未来を歩んで行きたいという想い・・・を
その想いを抱いたきっかけは
小児科病棟でみかけた少女の一言がだった
命が長くないことを知りながら、それでも誰かの役に立とうとしているその少女の一言によって
私にも芽生え始めたその想い
もしかしたら産まれて3日以内に消えてしまっていたかもしれない祐希の命が、多くの人の手によって救われ・・今もなお生き続けている現状に感謝しているから
だから今度は自分が誰かを助けたい
誰かの役に立ちたい・・・・
その想いだけは
誰になんと言われようが
譲れない
この先の未来・・・
誰と一緒に添い遂げようとも
それとも
祐希とふたりで生きていくことになっても
その想いだけは
いつか、きっと果たせるように・・・・・
だから今は
その想いが色褪せてしまわないように
自分のやるべきことをしっかりやって
自分自身の力で未来を切り拓けるように
前進するのみ・・なんだ
今の私のやるべきこと
それは
リハビリをしっかりとやって
自分の左手を完治させるコト
それをやり遂げることで弱い自分に自信を持たせ
自分の想いをしっかりと果たせるように
未来へ向かってまず一歩歩み始めるきっかけにしたい
・・・・そう思うんだ
カチャッ、パタン
そうココロに誓った私は静かに観察室のドアを開閉し、ひんやりとする廊下の空気にカラダを震わせながら祐希が眠っている自分の病室へ戻った。