ラヴシークレットルーム Ⅱ お医者さんの彼との未来




そして翌朝、明らかに寝不足状態であるにも関わらず
私はスッキリと目が覚めた。


まずは今、自分がやるべきコトをきっちりとこなそうという意欲に漲っていたから。





『・・・絶対に、完璧に治してやるんだから!!!!!』

「マー・・・?」



力強い口調でそう呟きながら、右手で拳を作り天井に向かって突き上げた私の背後では祐希が不思議そうな声で私を呼んでいた。



『おっと、祐希、起こしちゃった?ゴメン・・・・朝のお散歩、行こっか♪』



そして昨晩、あんなにも動揺していたのに
今朝はちゃんといつもと同じ朝を迎えていた。


リハビリルーム。
ここでもいつもと同じ朝を



「高梨さん、入院延長だって?森村先生もセコイな・・・」


『・・・どういうコトですか?』



迎えるハズだったのに。







「だって、高梨さんの左手のリハビリ・・・順調という言葉以外の表現が何も浮かばないんだけど、僕は・・」


リハビリスタッフの松浦先生は私の左手の装具の固定角度を調整しながら意味深な笑みを浮かべそう呟いた。


入院延長の本当の理由。
それは絶対に私の口からは言えない。


なぜなら森村医師が
私をナオフミさんのところへすんなり帰したくないという
至って私的な理由らしいから




『いや、だから、それは・・』

「森村先生ってば、わかりやすすぎ。」

『わかりやす、すぎ?』

「だって、ウチに帰したくないからでしょ?高梨さんを。まったく、職権乱用しちゃって・・・」



机にひじをついたまま頭を抱えながら苦笑いを浮かべた松浦先生。



この人にもどうやら
私達のややこしくなっている関係が
お見通し状態らしい


はあぁ・・・





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