強引な政略結婚が甘い理由~御曹司は年下妻が愛おしすぎて手放せない~



今にも雨が降り出しそうな、真っ暗で重たい雲が空一面を覆っていた。

今朝見た天気予報によると、午後から雨が降るらしい。

明日の土曜日は、晴斗君と公園で遊ぶ約束をしている。だから、雨は今日のうちに全て降ってしまって、明日はすっきり晴れるといいな。

そんなことを思いながら、社食で一人ランチを食べていた。

普段ランチは同じ経理部の後輩である千華ちゃんと一緒にとることが多い。場所はその日の気分で変えていて、社員食堂や、徒歩十分圏内にあるカフェや定食屋、晴れていて暖かければ近くの公園で食べることもある。

でもたまに、月に一・二回は、千華ちゃんは広報部にいる同期の子とランチに出掛けることがある。そういうとき、私は一人で社員食堂を利用することが多い。

そして、今日がたまにあるお一人様ランチの日だった。

社員食堂でBランチの鶏の照り焼き、ひじきの煮物、みそ汁、白米を食べ終えてから、経理部のあるフロアへと戻る。

すると、そこには私よりも先にランチから戻っている千華ちゃんの姿があり、デスクに座りながら何かチラシのようなものをじっと見つめていた。

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