強引な政略結婚が甘い理由~御曹司は年下妻が愛おしすぎて手放せない~
「明。今回の件では本当にありがとう」

突然、父が頭を深く下げてきたので、いったい何事かと焦ってしまう。

「えっ、お父さん⁉」

感謝の言葉を述べられて頭を下げられたことに理解ができない私は、一気に動揺してしまった。

よく見ると、顔を上げた父の瞳にはキラッと光るものが浮かんでいる。

「明のおかげで保しなを守ることができたんだ。本当に感謝してる。ありがとう。結婚を承諾してくれて」

「え?」

結婚を承諾って、私いつそんなことしんだろう……。

まったく記憶にない。そんな話をされた覚えもないし、もしかしてお父さん寝ぼけているの?

「……」

そのときハッと気が付いた。

寝ぼけていたのは私のほうだ。

つい先日、深夜にかかってきた父の電話を思い出す。

「ごめん、お父さん。結婚って何のことかな」

おずおずと尋ねると、歓喜の表情を見せていた父がきょとんとした顔になって私を見つめた。

「何のことって、この前の電話でしっかりと話しただろ」

「そ、そうだね。……でも、改めてもう一度話してもらえないかなぁと思って」

あのときは寝ぼけていて、適当に話を聞いていたから内容をまったく覚えていない。

けれど、素直にそう打ち明けることができなくて、やんわりと説明を求めると、父は不審そうな顔を見せつつも教えてくれた。

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