強引な政略結婚が甘い理由~御曹司は年下妻が愛おしすぎて手放せない~
そのとき、サッと素早く扉がひらいた。

そこには、衣服を全て脱いだ真夜がいて……。


「きゃー!」


私は、叫びながら両手で目を覆う。

大丈夫。見てない。ギリギリ見なかった。

一人で勝手に動揺していると、真夜が浴槽に入ってくる気配がした。そして私のすぐ隣に座った。

広い浴槽なので大人二人で入ってもまだまだ余裕のはずなのに、真夜がやたらと私の方に寄ってくるから狭く感じてしまう。

「ちょっと! 入ってこないでよ変態」

色のついた入浴剤を入れていてよかった。おかげでお湯につかると鎖骨辺りから下は見えないので、私は目を覆っていた両手をそっとはずした。

「変態ってお前ひどくない? 昨晩、俺ともっとすごいことしたのにそれはないだろ。明の身体ならもうとっくに全部見てるんだけど」

「……」

「つか、身体、大丈夫? 痛かったり、だるかったりしないか?」

「……おかげさまで全身痛いです」

ここはちょっと大袈裟に言ってやりたくなった。

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