強引な政略結婚が甘い理由~御曹司は年下妻が愛おしすぎて手放せない~
真夜が救急車で運ばれた。

倒れたと言っていたけれど意識はあるんだろうか。

どうして倒れてしまったんだろう。

もしかして何か悪い病気だったら……。

だんだんと不安が大きくなっていく。


「ごめんね、千華ちゃん。私もう帰るね」

「えっ、明さん?」

電話を終えた私が、突然慌て出したことに状況を掴めない千華ちゃんが戸惑っている。

でも、今は説明する時間すら惜しい。早く真夜のところへ行かないと。

私はカバンから財布を取り出すと、テーブルの上にお金を置いてお店を飛び出した。


ここから真夜が入院している病院までは、電車を使って二十分あれば着けると思う。

玉城さんからは病院の名前も場所も教えてもらっていないけれど、真夜のお父さんが入院していた病院だと言っていたから聞かなくても分かる。そこなら一度お見舞いへ行ったことがあるから。


真夜、大丈夫だよね。


病院へ向かっている間、私の心臓はずっとバクバクしていた。


真夜に、もしものことがあったら……。


そんな最悪な状況を想像しては、それを吹き飛ばすように何度も頭を横に振った。



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