強引な政略結婚が甘い理由~御曹司は年下妻が愛おしすぎて手放せない~



「――真夜っ!」


病室の扉をノックすることも忘れて勢いよく開くと、それに驚いたのか、きょとんとした表情を浮かべてベッドに座っている真夜と目が合った。その腕には点滴が繋がれている。

「なんだ、明か。急に開けるからビックリしただろ」

「……ごめん」

真夜のすぐ近くには、きっちりとしたスーツを身に付けたシルバーフレームの眼鏡が印象的な、五十代ぐらいの男性の姿もある。

たぶんこの男性がさっき私に電話をくれた玉城さんかもしれない。目が合うとペコッと頭を下げられたので、私も頭を下げる。

それから後ろ手で扉を閉めると、真夜のいるベッドへ慌てて駆け寄った。

「真夜、大丈夫? 倒れたって聞いたけど」

「ああ、うん、とりあえずは」

「どこか悪いの? 何かの病気? 入院ってどのくらい? 手術とかするの? 死なないよね?」

「おい、こら。人を勝手に殺すな。で、少し落ち着け。ほら、深呼吸」

吸って~、吐いて~、と真夜に先導されながら、動揺している自分を落ち着けるために、私はゆっくりと息を吸って吐き出した。

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