強引な政略結婚が甘い理由~御曹司は年下妻が愛おしすぎて手放せない~
もちろん、真夜と離婚なんてしたくない。

だけど、こんなに美人な人と真夜を取り合ったとき、私は勝てる気がしない……。


「――なんてね。冗談よ」


優愛さんのその言葉に、私は彼女を見つめる。

「妊婦さんに意地悪したらいけないわよね。不安にさせたならごめんなさい。私は、もう真夜への未練は少しも残っていないから安心して。さっきのは、ちょっと明さんに仕返ししたくなっただけ」

「仕返し……?」

その、あまり良い響きではない言葉に私は思わず構えてしまう。

けれど、目の前の優愛さんからは悪意を感じることなく、むしろ穏やかな表情を浮かべている。

「付き合っていた頃、真夜との会話の中で何度か明さんのことが話題にのぼったことがあったの」

「私のことが?」

「ええ。内容はすごくささいなことだから覚えていないんだけど、明さんの話をしながら、あなたを思い浮かべている真夜の表情が、今でも記憶に残っていて。まるで宝箱にしまってある大切な宝物でも思い出すように、すごく幸せそうな、満ち足りたような顔をしていた」

「……」


――そうだったんだ。

真夜は、そんなふうに私のことを思い浮かべてくれていたんだ。

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