強引な政略結婚が甘い理由~御曹司は年下妻が愛おしすぎて手放せない~
「あれ? 何かある……」

一瞬見落としてしまった引き出しの奥に、くしゃくしゃに丸まったハンカチが置き去りにされていることに気が付いた。

手を伸ばして取り出すと、どうやらそのハンカチで何かを大切に包んでいるらしい。ゆっくりと開いていくと、一本の腕時計が出てきた。


黒の文字盤に、金属ブレスレットの腕時計は、見るからに高級品だと分かる。


どうして私の学習机の引き出しにこんなものが入っているんだろう。

買った覚えはまったくない。

それに、腕に着けてみるけれどぶかぶかで、どう見ても私のサイズではない。


でも、この腕時計どこかで見たことあるような気がする。


どこで見たんだろう?

記憶をたどっていると、しばらくしてようやく気が付いた。


――この腕時計は、真夜のものだ。


真夜がよく身に着けていたのを覚えている。

真夜のお気に入りのブランドの限定ものの腕時計。

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