四季〜巡る時を、君の隣で〜
顔を真っ青にするあたしに、秋斗はニコニコ笑いながら顔を近づける。そして、あたしが顔を逸らせないように顎を掴んだ。

「ねえ、去年痛い思いをしたのを忘れたの?秋奈は去年、俺にめちゃくちゃにされたのに」

体をあたしが震わせると、秋斗は満足そうに笑う。そして、あたしにキスをした。唇が触れるだけの優しいものじゃなくて、急に舌を入れられ、口腔内をめちゃくちゃにかき乱される。

「ふっ……んん〜!!」

苦しくなっても、秋斗はあたしを離してはくれない。意識がふわふわしてくる頃に唇を離され、またキスをされる。銀色の糸が何度も生まれてはプツリと切れていく。

「ごめ……ん……。許して……!」

息を吸ったり吐いたりを繰り返し、あたしは涙の溜まった目で秋斗を見つめる。秋斗が優しく微笑んだため、あたしは許してくれたんだとソファから立ち上がる。

部屋でのんびり読もう。ここにいたらまたキスをされる。そう思い、あたしはリビングから出ようとする。でも、ドアの前に来た時に秋斗に腕を掴まれた。
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