四季〜巡る時を、君の隣で〜
「それにしても、素敵ですね。花言葉って」

私がそう言いながら花を見つめていると、「大切な人にブーケを贈りませんか?今ならとってもお買い得ですよ!」と言われる。

大切な人と言われて思い浮かぶのは、もちろん春希くんの顔。春希くんに花束を贈ったら彼はどんな顔をするんだろう。花束なんて贈ったことはない。でも、贈りたい!

「作っていただけませんか?」

私がそうはにかみながら言うと、店員さんは「お任せください!」と笑った。



その日の夜、私は夕食のハンバーグやサラダ、スープなどを作って春希くんの帰りを待った。作ってもらった花束と花言葉を見るたびに、緊張したり顔がにやけてしまう。

「ただいま〜」

帰ってきた!私は花束を手にし、「おかえりなさい!」と玄関まで出迎える。すると、春希くんも手に花束を持っていた。

「えっ……」

二人同時に行った後、「もしかして、カフェの前にあるお花屋さんで買ったの?」と私は訊ねる。春希くんはコクリと頷いた。
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