ストロベリーキャンドル
朝礼が終わって、各々自分の仕事に取り掛かる。
私は会議用の資料をコピーするのに、
コピー機のところまで来ていた。
資料を確認してコピー機を通す。
ガタガタと音を立てて紙を生産していくそれを待つ。
30部ずつのコピーなのでそれなりの量になった。
それを持って会議室3の部屋に入り、
パイプ椅子に腰かけてホッチキスでまとめ始めた。
パチパチと綴じる音が心地よくて眠そうになっていると、
カチャリと音が聞こえた気がした。
誰かが入ってきてしまったのかと慌てて立ち上がろうと
腰を浮かした時、肩に誰かの手が置かれた。
誰だろうと思って一瞬肩を震わせ振り返る。
「か、葛城……さん」
「探したよ、奏音」
葛城さんが笑って立っていた。
その笑みに脳から危険信号が出る。
ここ半年間葛城さんを避けていたのに、
警戒心が薄れてきていたせいで
うっかり2人きりになる隙を作ってしまった。
すぐに罪悪感が湧き出てくる。
仁に悪いことをした。
早くここから抜け出さなければ。
「会議室に何か用ですか?この作業ももうすぐ終わりますので、
もう少しブースでお待ちください」
「いや、君に用だよ。奏音。
最近冷たいじゃないか。どうして俺を避ける?」
肩に置かれていた手が動いて、私の髪を撫でる。
ゾクリと体が震えた。
半年経った今でも、体は葛城さんを欲している。
まだ、葛城さんに愛された日々を覚えている。
そんな自分が悲しくなったけれど、
どうしようもない熱に侵されていった。