ストロベリーキャンドル



さっきから時計を何度も気にしている。


お昼休みまで時間がない。


仁からのメールはなくて、どうしようかと焦っていた。
もうダメだと思い仁に心の中でごめんねと呟いて目を閉じると、
ブーっと携帯が鳴った。


バッと弾かれたように起動させてメールを確認すると、
仁からのメールだった。




【なにそれ。なんか秘密握られてるの?
 そうだなぁ、俺は大事な人さえ分かってくれたら、
 あとはどうでもいいからなぁ。
 そんな脅しには乗らないけど】


やっぱり、仁は強い。
そんな風に考えられるなんて思ってもいなかった。
でも、私にはそんなこと、出来そうもないよ。


泣きそうになって目に涙を浮かべると、
また携帯が震えた。





【その秘密によって君の何かが失われても、
 俺は奏音のそばにいるよ】




トクン、と胸が鳴った。
そんなことを言ってくれる仁が、やっぱり好きだ。
離れたくないと思う。


だからこそ、この秘密は絶対にバレちゃいけない。
仁を裏切りたくない。

もう葛城さんなんて忘れて、幸せに生きるために。







お昼休みのベルが鳴って、
それぞれ席を立ってブースを出て行く。


パソコンを落として席を立つと、
七海に声をかけられた。


「あら、奏音。どこに行くの?」


「ちょ、ちょっと用事があって」


「ふうん。行ってらっしゃい」


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