夢の中の世界
「まさか、机の中まで誰かにイジられてるの!?」


恵里果はそう言い、すぐに自分の机を確認しに行った。


「あたしの机の中も空になってる! メーク道具を入れておいたのに!」


「俺も机の中も空だ。こんなことできるなんて、先生しかいないだろ」


恵一が机を確認して大きくため息を吐きだした。


「まさか、全部の机の中が空っぽですか?」


1年生の由祐がそう言い、「失礼」と声をかけて近くの机を確認しはじめた。


「どの机にもなにも入ってないですね……」


1年生の一輝も同じように確認して行き、そして呟いた。


次の机にも、その次の机にも、なにも入れられていなかった。


確認後、背筋をスッと冷たい物が撫でて行ったような気がした。


これは本当に先生の仕業なんだろうか?
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