手招きする闇
14 学校の校門前
       
 仲良く並んで登校する二人の後ろから近付く哲司。
  
哲司「よっ! お二人さん」
理子「おはよう、哲司」
哲司「あれ~何だか今日の二人、いつもと雰囲気違うんですけどー。てか、夕べの事件、理子んちのすぐ近くだったろ? 怖くなかった?」
理子「ううん。大丈夫」
俊樹「俺、泊まったから」
理子「ちょっと、俊樹」
       
 彼女は、余計な事はいうなという感じで、彼の横腹を肘で付いた。
  
哲司「あれ~。それじゃ俊樹、首尾よくいったってわけだ」
理子「哲司、ごめん。あんたの気持ちも聞いた」
哲司「あっ? あれ? あれは嘘」
理子「えっ?」
哲司「自分の気持ちに気づかないこいつにハッパをかけようと思っただけさ。だから気にするなって。それより、二人が付き合う事になっても、俺や洋介とも、これまで通り仲良くしてくれよな」
理子「当たり前よ」
哲司「俊樹もいきなり弾けたよな。理子んちに泊まるだなんて。親父さんとかは居なかったのか?」
俊樹「それがさ、理子が福引で温泉旅行当てて、明日まで両親は旅行中」
哲司「そして更に夕べの事件か。お前付いてるな。まあ、これからも頑張れよ」
俊樹「サンキュ」
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