君のとなり。
なるみんの正体を考えながら
午後を過ごして、終業のチャイムが
鳴ると同時に教室を出た。

隣の教室を覗くと、琴音が
私に気付いてぱっと駆け寄ってくる。

「豆ちゃん、帰ろ。」

私がそう言うと、琴音はムッと
頬を膨らませて私を軽く睨んだ。

「豆ちゃんって言うなし。」

言うなしっていうのは、
単純に言うなっていう意味らしい。

琴音の名字は、豆田。

皆は「ことねん」だとか「ことちゃん」
って呼ぶけれど、私だけはいつも
豆ちゃんと呼んでいる。

周りの人が呼んでいるのと違う名前で
呼ばせてもらうと、特別って感じ
がして少し嬉しかった。

「だって豆ちゃんは豆ちゃんだもん。」

「意味わからん。」

2人でじゃれあいながら学園の
最寄り駅へと歩く。

私の最寄り駅は学園の最寄り駅から
3つ目、豆ちゃんは2つ目だから
帰りはほとんど毎日のように一緒に
帰ることにしている。

豆ちゃんは私のたった1人の親友。

大切な存在なんだ。
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