美髪のシンデレラ~眼鏡王子は狙った獲物は逃がさない~
「お待たせしてすみません」
宿泊部屋に戻り、シャワーとメイクを終えた瑠花は、部課長室に入り頭を下げた。
「瑠花ちゃん、おはよう。昨日は社に泊まったんだね。連絡つかなくて心配したよ。まあ・・・気持ちはわかるけど」
雅樹の言葉に、瑠花はちらりと朔也を見て苦笑する。
鬼の形相で腕を組む朔也の表情も珍しい。
いつもの無表情に比べるといくらか人間味が増している気もするが。
朔也が去ったあと、SNSのメッセージを確認すると、そのほとんどが朔也で数件は雅樹からだった。
内容は゛話したいことがあるが、今どこにいるのか?゛ということがメインで肝心の゛話したいこと゛については記載されていなかった。
もしかしたら、但馬が握っている他社の新商品に関する情報を二人が掴んだのかもしれない。
瑠花は気を引き締めると、
「ご心配をお掛けして申し訳ありません。どこから情報が漏れたのかはわかりませんが、私は本社の判断がどうであろうと、責任を取らせていただく所存です」
真剣な顔で頭を下げた瑠花に、雅樹も朔也も怪訝な顔をしているが、必死な瑠花は気付かない。
「代替え案として、万が一、先日完成したヘアケア商品に不都合が生じた場合を想定しまして、今回、新たなアミノ酸系オーガニックシャンプー、コンディショナーを開発しました。こちらはダメージケア&リペアに加え、自然な香りを長持ちさせる効果も追加しています。先程使用しましたが、このように手触りも香りも問題ないかと・・・」
一気に捲し立てる瑠花の更々の髪が、彼女の繊細な手からこぼれ落ちるのが見えた。
宿泊部屋に戻り、シャワーとメイクを終えた瑠花は、部課長室に入り頭を下げた。
「瑠花ちゃん、おはよう。昨日は社に泊まったんだね。連絡つかなくて心配したよ。まあ・・・気持ちはわかるけど」
雅樹の言葉に、瑠花はちらりと朔也を見て苦笑する。
鬼の形相で腕を組む朔也の表情も珍しい。
いつもの無表情に比べるといくらか人間味が増している気もするが。
朔也が去ったあと、SNSのメッセージを確認すると、そのほとんどが朔也で数件は雅樹からだった。
内容は゛話したいことがあるが、今どこにいるのか?゛ということがメインで肝心の゛話したいこと゛については記載されていなかった。
もしかしたら、但馬が握っている他社の新商品に関する情報を二人が掴んだのかもしれない。
瑠花は気を引き締めると、
「ご心配をお掛けして申し訳ありません。どこから情報が漏れたのかはわかりませんが、私は本社の判断がどうであろうと、責任を取らせていただく所存です」
真剣な顔で頭を下げた瑠花に、雅樹も朔也も怪訝な顔をしているが、必死な瑠花は気付かない。
「代替え案として、万が一、先日完成したヘアケア商品に不都合が生じた場合を想定しまして、今回、新たなアミノ酸系オーガニックシャンプー、コンディショナーを開発しました。こちらはダメージケア&リペアに加え、自然な香りを長持ちさせる効果も追加しています。先程使用しましたが、このように手触りも香りも問題ないかと・・・」
一気に捲し立てる瑠花の更々の髪が、彼女の繊細な手からこぼれ落ちるのが見えた。