美髪のシンデレラ~眼鏡王子は狙った獲物は逃がさない~
「こら、メス同士でもいちゃつくのは許さない。瑠花にキスしていいのは俺だけだ」

朔也の可愛いやきもちにも笑みがこぼれる。

「もしかして、この猫、私に似てたから飼うことにしたんですか?」

そこまで言って、瑠花は自分の自意識過剰ぶりに恥ずかしくなった。

穂積堂に行ったあの日の瑠花はブラウンのカラーコンタクトをしていた。

だから、朔也が瑠花のオッドアイに気付いていたはずはない。

「いや、雰囲気や毛並みは似てると思ったが、正直、オッドアイまで同じとは思わなかった。可愛いな、って通りすがりに店内を見ていたら店員に『オッドアイの猫、しかも黒猫(実際は濃いブラウン)は幸運をもたらしますよ』って言われて即買いしたんだ。そのうちに瑠花に会えた」

朔也は、そう言いながらマナの首を撫でる。

ゴロゴロと瑠花の膝で喉を鳴らすマナも気持ち良さそうだ。
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