美髪のシンデレラ~眼鏡王子は狙った獲物は逃がさない~
朔也と雅樹の言いつけを守り、瑠花はある程度まで実験を進めると、作業をしている他の研究員に挨拶をして研究室をあとにした。

エントランスを出ると、まだ明るさを保っている屋外の景色が眩しくて目が眩みそうになる。

このところ朝早く出勤して、夜遅くに帰宅する生活を続けていたからか、こんなにも明るいお日様を見るのは7日ぶりぐらいだった。

我ながら社畜だと思う。

だが、それくらい、自分が開発した商品が店頭に並ぶのが嬉しかった。

゛私を、みんなを輝かせるもの゛

それは瑠花にとって、この穂積ソワンデシュブの商品に他ならない。

だからこそ、どんなに辛くても仕事に打ち込むことができる。

それが瑠花の本音だった。

だが、今日は、思わぬ穂積の登場で、予定のない平日のアフターファイブとなってしまった。

゛こんな日は、薬局やデパートに寄って他社のヘアケア商品を眺めるに限る゛

プライベートな時間ですらどこまでも社畜根性の抜けない瑠花であった。
< 51 / 164 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop