美髪のシンデレラ~眼鏡王子は狙った獲物は逃がさない~
「三神さん」

「但馬課長・・・」

低くネットリした声で後方から呼び掛けられ、瑠花がゆっくりと振り返ると、そこには狭間部長と但馬課長の姿があった。

「ずいぶん穂積部長に気に入られているようだね。もしかして、課員が我々に反旗を翻したのは君が主導したからとか、かな?」

瑠花だっていやらしい目付きの禿げ親父と爬虫類の顔は正直見たくはない。

だが、やましいことのない瑠花はこの二人の中年と(初)老人から目をそらして弱味を見せたくはなかった。

狭間と但馬は、ちょうど研究棟の裏にある中庭に瑠花を誘導した。

「君は魅惑的なその瞳を使って、穂積の御曹司やイケメン課長をタラシ込んだのかな?」

但馬は、瑠花が入社してきた時から、瑠花のオッドアイを忌み嫌っていた。

但馬曰く、理屈で説明がつかないことは嫌いだそうで、商品開発にしても、社外との付き合いにしても、部下には゛無難゛を求める人間だった。

突然変異とも言える、瑠花のオッドアイは、但馬にとって説明のつかない気持ちの悪いものの典型なのだろう。

ジワジワと囲い込み、ネットリと追いやる。

そんな但馬と狭間のやり方に閉口する社員は多く、瑠花の先輩後輩も何人も辞めていった。
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