美髪のシンデレラ~眼鏡王子は狙った獲物は逃がさない~
「あなたもそうよ。イケメン部長をたぶらかしてる暇があったら働きなさいよ。余計なことを考えずに地道に生きなさい、そうよ、これまでのようにね」

タブらかされているのは寧ろ瑠花の方だし、定時で帰れと説教されるほど働いている。

全く何て言われようだ、と瑠花は思ったが面倒臭いので黙っていることにした。

「穂積の御曹司には、育ちのいいお嬢様が似合うのよ。そう、まさに家の末っ子のような・・・。ねえ、あなた達もそう思うでしょ?」

魔女浅子の問いに大きく頷くメイド(?)二人。

゛狸親父と全く同じことを言う浅子さん、顔までパパに似なくて良かったね゛

と、ブラック瑠花は内心毒づいたが表面上は笑って見せた。

「覚えておいて?いくら能力があっても出る杭は打たれるのよ」

ここまで父親の言動とシンクロするなんてやはり血は争えない。

「肝に命じます」

瑠花が恭しく告げると、浅子は満足気に頷いて何も買わずに、メイド(?)二人を連れて穂積堂を去っていった。

「あの人、結局何がしたかったんでしょうか?」

「さあ、意味はあってもなくてもいいの。彼女はただ、ああやって他人を馬鹿にして貶めることでストレス発散しに来てるのよ」

と、瑠花の疑問に答えた湯川主任は、軽く肩をすくめると、再び商品販売や接客、商品陳列の極意を教えてくれた。

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