美髪のシンデレラ~眼鏡王子は狙った獲物は逃がさない~
「瑠花、今日は時間はあるの?私達これからランチにしようと思っていたのよ。瑠花も久しぶりに一緒にどう?」

そもそも、瑠花は本日惰眠を貪る予定だったのだ。

朔也に無理やりDシティに連れてこられた瑠花に今後の予定などあるはずがない。

「いいわよ。話したいこともあるし」

広い都心の中の、しかもDシティ限定で、この周辺に住んでいるわけでもない親友同士がバッタリと出会う確率はそう高くない。

瑠花は、今度は朔也ではなくエマに左手を引かれながら半ば強引に引き連られて行くのだった。

エマが連れてきてくれたのは、アメリカンなハンバーガーが有名なチェーン店。

エマに良く似た女の子がキャラクター(キャラの方が痩せ型だが)になっているあのお店だ。

「相変わらずミカはハンバーガーが好きなのね」

「そういう瑠花だって結構ガッツリじゃないか」

瑠花はアボカドの入ったBLTバーガーが好きで、今日もそのセットを頼んだ。

ミカは本場の味を再現したボリュームたっぷりのUSAバーガーを二個頼んでいる。

本場アメリカではバーガーもポテトも飲み物も日本の大きさの比ではないため、幼少期をアメリカで過ごしたミカが日本人向けの量で満足できないのは仕方がないことなのかもしれなかった。

「ふふ、相変わらず二人は気が合うのね」

エマはチラリと隣のテーブルに目をやると、数人の女子高校生グループがチラチラとこちらを見ているのがわかった。

瑠花とミカというオッドアイの美男美女二人が珍しくてコソコソ話をしているのだが、瑠花もミカも慣れたもので気に病むこともなくハンバーガーにかぶりついていた。

エマは過去に瑠花が外見に悩みを持って引きこもっていたことを知っているため、今のように堂々と自分を見せている様子を見て感慨もひとしおだった。
< 96 / 164 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop