Ai…

シャワーを浴びて
キッチンに行った



「藍くん、寒くない?
最近、夜になると少し寒いよね」

愛さんは上着を羽織って、そう言った



確かに
季節は秋に変わってた



「いただきます」


食べ始めて
オレは愛さんを見た



「…ん?
味、薄かったかな?」


愛さんは、首をかしげた



「んーん…おいしいよ」



「よかった」




「…昨日、なんか言われた?」


愛さんから話さないから
オレから聞いた



「あ、そぉそぉ…
藍くんのこと、褒めてたよ!先生

委員会の仕事もしっかりやってるし
授業も部活も、今は落ち着いてやってるって
テストもこの調子で頑張ってって」



「…それだけ?」



「…うん‥
他になんか、…うん、あとは特に…」



「家の様子とか、言ったの?」



「うん、私が仕事でいない日も
ちゃんと家のことしてくれるから
助かるって言ったよ
…あと、なんか、言えばよかったかな?」



愛さんは、先生との関係は
オレには話さなかった



なんとなく、面白くなかった



「…ごめん…
私、なんか、聞き忘れたかな?
ごめん、お母さん失格…」



オレの態度を見て
愛さんはオレに謝った




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