横顔がスキ 〜とある兄妹の恋の話〜
死んだように
眠っている。

ウェーブのかかった髪が
ほほにかかる。

長いまつ毛。
少し伸びたヒゲ。

見慣れているのに
それらは一本一本が
愛おしい。



--その肉体
 
 同じ血の流れる…
 なんとしなやかな体よ



「柊にぃ!おはよう!」

大きな声で言った。




「…瑠璃か」

「お水置いておくから」

「学校は?」

「今から行くよ、
 柊にぃは?」

「大学は昼から」

「車取りに行くの
 忘れないでね」

「ああ、そうだった…」


柊にぃは、体にしがみついてくる眠気を追い払うようにのたうち回る。


「柊にぃ、
 昨日はありがとう」

「あ、うん…」

「じゃあいってきます」
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