蛍火に揺れる
しかしそれが入社して数年、大幅に変わった。


働き方改革の一環により、『一般職』の区分が廃止になったのだ。
それにより一般職採用だった人達は大幅に辞めたり、退職を勧告されるような状況に陥った。

でも私は……これが大きなチャンスだと思い、懸命に仕事に打ち込んだ。
正直な話、私は腰掛けとして恋愛に勤しむ彼女達のことは…どうしても好きになれなかったのだ。
もっと仕事がしたい。でもそれには……『学歴』が大きな邪魔をしていた。

うちの会社は決して大大企業ではないが、名の知れた双葉グループの一角であるのだ。
最低でも大卒ーそれもそこそこの大学を出ていないと、面接にすらたどり着けない。
そんな状況をかいくぐってきた人達と、肩を並べなければいけないのだ。

学歴なんぞ社会に出れば関係がない、なんて当時の私は思っていた。
しかしそんな思いは……懸命に働けば働く程、見事に砕け散って行った。

なんせ頭の回転の良さが、段違いに違う。
それに知識の量、仲間から得られる情報の正確さ……どれを取っても私が敵うものなんて一つも無かった。

それでも私は、この会社にしがみ続けた。
負けてたまるもんか。その思いだけで。

そしてようやく、私は自分の意見がちゃんと言えるまでに認められるようになった。
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