雪に咲く華

そう言って事のあらましを説明し始めた。意外なことに落合くん達の表情に敵意は窺えず、寧ろ驚きとともに面白さを感じているようだった。


「へえ。まあいんじゃね?永和がオッケー出したんなら」

「俺も賛成」

「永和が言うなら従うけど、絶対俺に近寄んなよ!」


落合くんも尾崎くんも小早川くんもあっさり賛成した。小早川くんはこっちを睨んでくるけど気にしないでおこう。

もうこの際一度も私の意見を聞いてくれなかったことはスルーして、


「あの、今日はこれで失礼してもいいでしょうか?」

「何か用事?」

「用事というわけではないんですが、荷解きをしたいと思いまして」


今我が家は引越しの荷物がある。そんなに沢山ではないけれど、ダンボールに囲まれて寝るのはイヤだ。できれば今日中に片付けたい。


「なら家まで送るよ」

「大丈夫です。来る時道は覚えたので、歩いて帰ります。それでは」


半ば早口で言い切り、ぺこりと頭を下げて部屋を出た。

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