君の世界を知りたかった。
第1章

雨の日の出会い

春休みが終わって3日が経った。


春だというのに、1日中強い雨が降っている。

午後になっても雨は止みそうにない。


天気予報では晴れだったのにな。傘持ってくればよかった。


それにガヤガヤとうるさい教室。

新しいクラスは、あまり良いメンバーではなさそうだ。


教室はうるさい。教室の外もうるさい。クラスメイトも良いとは思えない。


気分は最悪だ。



「なーのは!今日テンション低いじゃん。お昼ご飯食べた後だから?」

「夏菜。あんたがうるさいだけだよ」

茶髪でツインテールの女の子、藤原 夏菜は私のクラスメイトで親友。


クラス替え発表の時、夏菜と同じクラスで、お互い抱き合いながら喜んだ。

騒がしくて、ドジだけど、可愛くて優しい子だ。


「それにしてもびっくりだよねぇ。私ら、アレと同じクラスになっちゃったんだよ!」

「アレって?……誰?」

「ほら、今教室入ってきた人!あの人だよ。宇佐美 圭!」

夏菜の指さす方には背の高い男子がいた。


綺麗な黒髪。はっと息を呑んでしまうほどの整った顔。白い肌。


こ、これが…本当のイケメンというやつか……。


「か、カッコイイ……ね。」

「でしょ〜!すっごくモテるんだって!年々、宇佐美君に告白する女子が急増してるらしいよ。でも、OKだった事は1回もないんだって……」


そんな人気のある人なんだ。

クールで無口そうな宇佐美君。


私とは正反対だ。
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