かすみ草揺らぐ頃 続く物語 ~柚実16歳~
「黒沢、どうした。大丈夫か」
「ああ、はい。えと、寝不足で……もう大丈夫」
「そうか」
「保健室の、由真先生でしたっけ? 今日は不在なの?」
「うん。なんか具合悪いって欠勤」
「何で高野先生が来たの?」
「俺はオマエのクラス担任だろ。気になって当然」
 メガネの奥の、ぱっちりとした二重の目を軽く見開いて言う担任。
「そう。ありがと」
「あんまり迷惑かけるなよ。面倒だから」
「先生がそんな発言していいんですか」
「教師とて、聖人君子ではないからな」
 私は、はっと思い出す。
< 12 / 400 >

この作品をシェア

pagetop