かすみ草揺らぐ頃 続く物語 ~柚実16歳~
 しれっと云って、母は赤ワインのグラスを傾ける。
「男で決まる……? なんで? 女は女で、人生があるじゃないの」
 母は首をぶんぶんと振る。
「そういうわけにはいかないのよ」 
 私はまだまだ子どもで、男女のイロハも解っていなかった。
 好きなひとと結婚をして、自分の遣りたいことを貫いていく――そんなのが当たり前だと、思っている。 
 そう、例えば。
 夢見るならば。
 純……と、パートナーとして、歩いていければいいと。
 あの人が、ミュージシャンとして大成して。
 私は私で、読書なり勉強なりに時間を費やして。ほんのちょっと、歌詞の手助けをできれば――と。
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