かすみ草揺らぐ頃 続く物語 ~柚実16歳~
私は不貞腐れて、ぶらぶらと校内を歩くことにした。
ひと気の少ない、夏休みの学校はいつもと様相が違ってちょっと面白かった。
生徒が少ないとは云えど、グラウンドからは運動部の勇ましい声が聞こえ、校舎内からはブラスバンド部の朗々としたメロディが鳴っている。
蝉の鳴き声が夏の彩りを添えていた。
運動部と云えば、去年の夏も、クラスメイトだった弓佳やなっちゃんはそれぞれの部活に勤しんでいたな、と思い出す。
ふたりとは接する機会が減った――。
私はそう思い、ソフト部の弓佳のところは灼熱の太陽が照っていて暑そうだったので、武道館で練習をしているはずの剣道部のなっちゃんのところへ陣中見舞いに赴くことにした。
ひと気の少ない、夏休みの学校はいつもと様相が違ってちょっと面白かった。
生徒が少ないとは云えど、グラウンドからは運動部の勇ましい声が聞こえ、校舎内からはブラスバンド部の朗々としたメロディが鳴っている。
蝉の鳴き声が夏の彩りを添えていた。
運動部と云えば、去年の夏も、クラスメイトだった弓佳やなっちゃんはそれぞれの部活に勤しんでいたな、と思い出す。
ふたりとは接する機会が減った――。
私はそう思い、ソフト部の弓佳のところは灼熱の太陽が照っていて暑そうだったので、武道館で練習をしているはずの剣道部のなっちゃんのところへ陣中見舞いに赴くことにした。