かすみ草揺らぐ頃 続く物語 ~柚実16歳~
 やばい……次のテストで、純に勝てるか? いや、それよりもちゃんと赤点を免れることができるのだろうか。
 物理、恐るべし。脅威を感じる。
「なんだ、黒沢」
 私は放課後、職員室にいる担任の高野先生の許へ訪れた。
「私、死ぬかも」
「どうした?」
 高野先生は担任でもあり、物理教師でもあったのだ。
「今から選択科目の変更できませんかね」
「もう無理だよ。なんで?」
「物理が私を殺します」
 先生は人差し指でメガネをくいっと上げた。
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