かすみ草揺らぐ頃 続く物語 ~柚実16歳~
「苦手ってことか? 今日授業始まったばかりじゃないか」
 先生は手許のコーヒーをずずっとすすった。
 私はそれを奪い取り、ごくごくと飲み干した。
「ブラック苦~い。とにかく、私にとっては死活問題なの。コーヒー飲んでる場合じゃないでしょ」
 私は制服の袖で口を拭いながら言う。
「大丈夫だよ、オマエ成績いいじゃんか」
「物理は別です。ついていける気がしない」
「大丈夫だって、この俺でもやっていけるんだから」
 先生はにこにこと笑っている。
 私はそんな高野先生の頬を両手で抑える。
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