かすみ草揺らぐ頃 続く物語 ~柚実16歳~
6・私のぬくもりで彼を温められる位置にいたい。
 そして私たちはブラブラと歩き、目に入ったファミレスに腰を落ち着けた。
 一応ドリンクバーを頼み、純はアイスコーヒーを、私はメロンサイダーを持ってきた。
 腹が減ったと言っていた純は、メニューをみる気配はない。
「何か元気ないね」
 彼はいつもの朴訥とした雰囲気だったけれども、どこか翳りを纏っているように見えた。
「まあ……」
 純はストローの紙を破いた。そしてひと口、コーヒーをすする。
 ブラックコーヒーが飲めないのは、私も純も同じで、彼はガムシロップをコーヒーに入れていた。
「どうしたの?」
 私はメロンサイダーにストローでぶくぶくと息を吹きこんでいた。
 ぽこぽこと立つ泡が可愛らしい。
「……」
 純は何も応えない。
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